- 簿記3級に興味があるけど、初学者の自分でも合格できるの?
- お金をかけずに独学で資格をとりたいけどどうしたらいいんだろう?
といった悩みを持つ方に、簿記の仕組みと勉強方法についてまとめました。
簿記3級は難しい?簿記とは何かを知る
簿記の資格を取るためには、まず簿記というものが何なのか知る必要があります。
この章は、簿記のことを全く知らない人に向けて書いていますので、ある程度理解できてる方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
簿記とは、「会社の事業で行った取引を決められた方法で記録すること」です
例えば、
例1:「3/24、居酒屋Aがお客さんから売上代金5,000円を現金でいただいた。」
例2:「3/29、居酒屋Aが八百屋から野菜を8,000円分、ツケで仕入れた。」
このようなことがあった時、居酒屋Aはこれらの取引内容を「決められた方法」で帳簿に記録していくことが義務づけられています。
そして簿記3級の試験内容とは、この「決められた方法」がちゃんと理解できているかを問われている資格なのです。
そのため簿記3級の試験では、上の例のような文章が出題され、これを「決められた方法」で表記して下さい。というような問題が出されます。
簿記では、この決められた方法で表記することを「仕訳」するといいます
参考までに上記の例1を「仕訳」(決められた方法)するとこうなります。
3/24 現金/売上高 5,000円
なんのこっちゃわかりませんよね。当たり前ですよね、まだ簿記を勉強してないんですから。
今はなんのことか分からなくても大丈夫です。
とにかくここでは、簿記3級という試験が、「会社の事業で行った取引を、正確に仕訳することができるか」を問われてる試験だということを理解してもらえれば大丈夫です。
簿記の最終目的はなんなの?
こんなややこしい「仕訳」のやり方を覚えて、帳簿に記録していって、最終的に何がしたいの?何が目的なの?という疑問を持たれる方もいると思います。
簿記の一番大きな目的は「決算書」をつくることです。
「決算書」とは、その会社の財政状態や経営成績がひと目でわかるようになってる書類です。
「決算書」は2つの書類から構成されていて、財政状態を表す書類の「貸借対照表」、経営成績を表す書類の「損益計算書」の2つからできてます。
「貸借対照表」の読み方は「たいしゃくたいしょうひょう」と読むよ。
「かしかり対照表」じゃないですよ。
とにかく「決算書」を見れば、その会社の財政状態や経営成績がわかるようになっています。
この「決算書」は、会社の取引を一つ一つ「仕訳」して積み重ねていくことで作成することができます。
そういう風にできてます。
簿記3級の初学者が独学で合格できる勉強時間
初学者の独学者が簿記3級に合格するために必要な勉強時間は、おおよそ100時間前後と言われています。
一日に2時間勉強したとして50日、約2~3ヶ月くらいをみておけば初学者でも独学で十分合格できます。
毎日3時間ぐらい勉強すれば1ヶ月くらいでとることもできる資格です。
間違っても初学者がいきなり2級なんか受けない方がいいですよ
基礎ができてない状態から2級を勉強しても意味が解らないと思うので、効率が悪く時間がかかるだけです。
簿記が初めての人はおとなしく3級から受験しましょう。
簿記3級の合格率は?
簿記3級の過去10回の合格率はこちらです。
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
159(2021.11.21) | 58,025名 | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 58,070名 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 70,748名 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 77,064名 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
154(2020.2.23) | 100,690名 | 76,896名 | 37,744名 | 49.1% |
153(2019.11.17) | 99,820名 | 80,130名 | 34,519名 | 43.1% |
152(2019.6.9) | 91,662名 | 72,435名 | 40,624名 | 56.1% |
151(2019.2.24) | 104,357名 | 80,360名 | 44,302名 | 55.1% |
150(2018.11.18) | 111,657名 | 88,774名 | 38,884名 | 43.8% |
149(2018.6.10) | 101,173名 | 79,421名 | 35,189名 | 44.3% |
過去10回の合格率をみてみると50%前後ですが、直近では30%を切っていて難しくなってきています。
とはいえ資格の中ではそんなに低い合格率じゃないですし、何よりちゃんと時間を取って勉強すれば絶対に受かる試験なので安心してください。
簿記3級の試験日程と受験料について
商工会議所が実施する日商簿記検定では、「年3回」試験が行われています。
大体、2月・6月・11月に行われますが詳しくは商工会議所のホームページで確認してください。
2022年の試験日程はこちらです。
受験料は2,850円(税込)です。
(履歴書に書ける資格にしては安い方だと思います)
試験会場については地域によって違うのでお近くの商工会議所に問い合わせる必要があります。
お近くの商工会議所の検索はこちらから。
ネット試験も開催されていますので、こちらを参考にしてください。
簿記3級を独学での勉強する方法
それではいよいよ独学での勉強方法です。
それはずばり、1冊の「基本書」で内容を理解して、1冊の「問題集」を何回も解くことです。
これにつきます。
「基本書」でインプットを行ってから、「問題集」でアウトプットするというのは、資格を取るための王道であり最短の勉強法です。
簿記3級も例外ではありません。
ここで注意しないといけないのは、「基本書」も「問題集」も同じものを何回も使い続けるということです。
人間の記憶というのは、繰り返し塗り重ねる事で強化されるという研究結果がでています。
なので、一回問題集を解いたからといって、新しい問題集に手を出したりするよりかは、同じ問題集をもう一回やった方がよっぽど記憶に残ります。
何冊も基本書や問題集を買って、やった気になるのは絶対やめましょう
簿記3級の独学用おすすめのテキスト
簿記3級の資格を独学でとるためには、「基本書」と「問題集」を1冊ずつ購入して勉強することが必要です。
それぞれ1冊ずつ私のおすすめする「基本書」と「問題集」を紹介しておきます。
簿記3級のおすすめ「基本書」
おすすめする基本テキストは、「スッキリわかる 日商簿記3級」です。
スッキリわかる 日商簿記3級 第13版 [ 滝澤 ななみ ] 価格:1,100円 |
- イラストが豊富で初心者向けに作られていてわかりやすい。
- 安いのに本試験形式のテスト1回分が付属している
- ネット試験対応模擬試験プログラムが付いている。
- ソフトカバーで本のサイズがA5とコンパクトなので持ち運びが便利。
- 予想問題集がセットになっている。
これらのことから簿記3級の初学者にはうってつけの「基本書」です。
通販サイトのレビュー件数も多く評価も高いので、それだけ売れている「基本書」といえますね。
全くの初心者でしたが3/23にこの本を購入し、本日4/18にネット試験で合格しました。
シンプルでとても分かりやすかったです。過去問集と合わせてしっかり勉強すれば1ヶ月あれば合格できると思います。
読解力のない私でもとてもわかりやすかったです。通信教育は高いしで独学を選びました。ソフトカバーなので電車でも読みやすく、毎日の通勤(片道30分程)で本を読み帰ってから、読んだところの小テストをするで1ヶ月くらいで1冊終わりました。終わった後、小テストがスラスラできるようになってから(1週間くらい)、スッキリの予想問題集に進みました。スッキリの問題集を3回解き試験に臨み合格できました。4/1から勉強して、6/13の試験に合格という感じです。
インプットに関してはイラスト、図が豊富で簿記初学者には分かりやすい。しかし、巻末にある問題は問題演習するには問題量が少ないです。別途演習ドリルと併用して勉強した方が良いかもしれません。
初めて簿記をかじる人なら良いと思いますが、検定を受けるなら本番の形にもっと近い過去問の問題集をやらないとならないと思います。
簿記3級のおすすめ「問題集」
おすすめする問題集は、「2022年度版 スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集」です。
2022年度版 スッキリうかる日商簿記3級本試験予想問題集 [ 滝澤ななみ監修 TAC出版開発グループ ] 価格:1,100円 |
- 基本書と同じシリーズなので学習効率がいい
- 「必要最低限」となる予想問題を9回まで絞り込んでるので効率よく勉強できる
- 問題も答案用紙も、書籍本体から外して使える別冊式を採用してるので問題と答案を並べて勉強できる ← ココはかなり重要です
- 答案用紙のダウンロードサービスがあるので何回も繰り返して演習できる。
簿記3級の「基本書」と「問題集」の回し方
「基本書」と「問題集」を購入したら、あとはひたすら下記の順番で勉強を回していきましょう。
- 「基本書」をまずは1周する。(流し読みOK)
- 「基本書」2周目を読む。
- 「問題集」で問題を解き始める。
- 「問題集」が終わったら、また最初から「問題集」を解きます。
- マークの問題だけ最後まで解きます。
- 繰り返し
1.「基本書」をまずは1周する。(流し読みOK)
「基本書」の内容を暗記する必要はありません。
「基本書」はとにかく先へ先へ読んでいって早めに1周読みます。
読んでいってわからないところが出てきても、わからなくてもいいのでとにかく最後まで読みます。
とにかく「基本書」を早めに1周終わらせて、なんとなくでよいので全体像を掴むことに専念してください。
2.「基本書」2周目を読む。
基本書の1周目を読み終えたら、もう一度基本書を最初から最後まで読みます。
ここでも本の内容を暗記する必要はありません。
今回は、基本書の内容を理解することだけに全集中してください。
とはいっても、同じところを何回読んでも理解できない場合は、先に飛ばしても大丈夫です。
2周目を終えたら、もうこれで「基本書」を最初から最後まで一気に読むことはありません。
問題集にうつりましょう。
3.「問題集」で問題を解き始める。
「基本書」を2回読んだら、さっさと「問題集」にうつります。
ここで「問題集」の1回目はほとんど解けないと思いますので、解らないところは「基本書」を参考にしながら1回全て解きます。
簿記3級合格のコツは、同じ「問題集」を何度も何度も解く事です。
4.「問題集」が終わったら、また最初から「問題集」を解きます。
「問題集」を1周解き終わったら、同じ「問題集」をまた最初から最後まで解きます。
解らないところは時間がかかっても「基本書」を参考にしながら最後まで解きます。
おそらく1周目より2周目の方が速く解き終わります。
この時、間違えた問題や時間がかかる苦手な問題にマークをつけていきます。
5.マークの問題だけ最後まで解きます。
問題集を最後まで解き終わったら、今度は(4)でマークをつけた問題だけ最後まで解きます。
6.繰り返し
(4)と(5)の作業をマークがなくなるまでひたすら試験日まで出来る限り繰り返し解きます。
(同じ問題集を何周も回すということです)
以上、「基本書」と「問題集」を使ったおすすめの勉強方法でした。
問題集のマークが少なくなるころには合格レベルの実力が間違いなくついてますので頑張って下さいね!
プロフィール
- アラフィフおじさんブロガー
- 同い年のネイリストと46歳で結婚
- ハチワレ猫の「ぺろ」が大好き
- 会計関連の仕事を26年
- 趣味はキャンプとブログ